水温

水温の測定

水温が牡蠣・海苔養殖および漁船漁業に与える影響は、非常に大きなものとなっています。
牡蠣は30℃以上でへい死の可能性が上がり、10℃以下で活性低下します。更に、牡蠣の生育を妨げる他の貝の発生も水温に左右されます。海苔は10〜13℃を最適水温に持ち、5℃を下回ると成長が低下します。また、13℃以上で赤腐れ病、25℃以上で枯死の可能性が上がります。漁船漁業の場合、水温により魚が獲れるポイントが変化します。

上記の理由より漁師は自らの漁場の水温に注意を払っていますが、計測方法はアナログで、朝夕と漁船を出し、漁場の表層水温を計測しています。無論、天候次第では計測できない日もあります。 公的機関や水産試験場等も水温情報を発信していますが、数日のタイムラグが発生します。また、漁師が最も欲している「自らの漁場」の水温ではありません。

平成27年度の本事業では、松島湾近海を漁場とする漁師数名と相談した上で、計8か所に水温センサを設置し(※)、自動で水温を測定、見たいタイミングで閲覧できる環境を地元漁師に提供しています。
(※8か所中、1か所についてはクロロフィルセンサです。クロロフィルセンサはクロロフィル濃度の他、水温の計測も可能なものを用いています。詳細は、右のカテゴリから「クロロフィル」をご覧ください)

アプリケーション「Tooona」

測定した水温はスマートフォン向けのアプリケーションとして、東名の漁師に提供をしています。提供データは、1時間毎の水温と、1日の最高水温と最低水温となっています。主な機能は、指定日の時間毎の水温表示、過去データの検索と表示、グラフ表示、グラフによる水温の比較表示(場所ごと、時間や期間ごとに比較が可能)です。また、水温が高いか低いかを色分けをして表示するようにしています。

右の画像は、平成 26 年度版の、松島湾リアルタイム水温閲覧アプリ「Tooona」です。27年度はブイの設置場所の変更と設置数の増加に伴い、新しいアプリを制作しています。漁師から新たな意見を取り入れ、より良い UI と、新しいデータを提供する予定です。
(画像左:1時間毎の水温表示
 画像右:水温グラフでの比較)
(なお、GooglePlayでの配信はしておりません)

観測してわかったこと

水温は測定場所、水深、時間などで変化します。雨や日照など、急な温度の変化があると、湾内の水温、特に表層水温は影響を受けやすいことがわかりました。しかし、長期にわたる雨、日照などで湾内の水温が変化すると、その後の一定の期間は、多少の気温の変化では水温が変化することはありませんでした。

漁師の間では表層と水深1.5mを比較して、深い方が低くなりがちと考えられていましたが、実測してみるとそうとは限りませんでした。

また、湾内外全ての水温が上昇したり、平均化される現象を確認しました。潮の干満、大潮なども関係があるらしく、次期のアプリケーションには干満などの情報もオープンデータを利用して反映したいと考えています。